「――まるで手負いの獣だな」




そんな時、どこか冷たい声が俺の世界に届いた


聞き覚えのある

透き通った声―――




伏せていた瞳を上げて、その声の先に目を向ける

何も言わずに、じっと





「ここで何をしている」



そんな俺を見て、いつもの様に吐き捨てる様に言葉を落とす男

銀色の騎士




「ただ、景色を眺めていただけだ」

「――その様には見えぬが?」



嘲笑うかの様にそう言って、俺の側まで歩み寄ってくるホリス

美しい銀色の髪が、風にたゆたっている