ゆっくりと父を支えながら、外の景色が見える所まで歩いていく



開けた場所に立って外の景色を見た途端、無意識に息が漏れる

いつ見ても、美しいと思って



そして、何度見ても思う

光の国だ、と




父も同じ事を思ったのか、眩しそうに目を細めた

その姿を横目に、ただ真っ直ぐに目の前に映る景色を眺めた






どれだけ、そうしていただろう

まるで時を忘れたかのように見入っていた世界の中に、父の声が零れる




「お前の信じた道を進め」



ただ前を向いてそう言った父に

悲しさが募る



どこか別れの時に似た

あの寂しさと重なって、胸がいっぱいになった