「お前の役目は何だ」



高揚のない声が、どこか冷たく伸びる

俺の心の奥にありながらも、見えなくしていた現実を引き出す

夢から覚めろとでも、言う様に




「ヴェントスの守護だろう」



口を開かない俺に向かって、投げかけられる現実



――俺の歩むべき道




「分かっている」

「では、私と共に帰るんだ」

「父さん…」

「使命を忘れるな」



口を開こうとする俺の言葉を遮る様に、落とされる言葉

俺の選んだ道を崩す言葉




途端に世界が真っ暗になる