「――クレムが滅びた....か」




項垂れたまま、か細い声を落とす父をじっと見つめる

その背がどこか小さく見えて、胸が痛む




「今やガスパルの力は強大だ。この国も、その脅威に脅えている」

「こんな美しい世界までも、奴等は闇に葬ろうと言うのか....」



光に満ちた、この国さえ―――




以前ホリスが言っていた言葉を思い出す



〝――また、この国を奪いに来る――″



今やそれは単なる世迷言ではないかもしれない

それほどまでに、絶大な力を持っている



この国を奪うくらい

簡単な程の力を――