「落ち着いて、父さん。今から話すから」

「――…あ、あぁ」



ゆっくりとそう言った俺の言葉を聞いて、一度大きく息を吐いた父さん

きっと、現実にまだ頭がついていけていない



――無理もない



目が覚めたら、季節が3度も巡っていたんだ

取り乱すのが当たり前だ




「――よく聞いて、父さん」



狼狽した父を落ち着かせる為に、そっと言葉をかける



伏せていた瞳を上げた父と目が合う

その瞳に映る自分は

きっと、大きく変わった



愛を知った俺は

きっと、もう昔の俺ではない



そんな事を思いながら、言葉を紡ぐ

父さんが眠っている間に起きた事



そして、俺が見てきた事―――