その姿を眩しそうに目を細めて見つめる父
まるで石になった様に固まっている
見惚れている。と分かるのは容易い
まぁ、俺も初めてレイアを見た時は息をするのも忘れたから、その気持ちは分かる
――〝この世の美しさを、すべて纏った様な姫君″――
本当にその名に相応しいと思う
「父さん」
小さく溜息を落として、父をそっと小突いて現実に引き戻す
すると、ビクリと一度大きく跳ねてから夢から覚めた様に、2.3度瞬きを繰り返した父
そして、慌ててその場に平伏した
「このような姿で失礼致します。アレンの父、ゲルと申します。怪我を治していただいた上に、アレンまで世話になりまして、感謝の極みにございます」
「構わぬ。私が好きでした事だ」
深々とベットの上で頭を下げた父に、ふっと柔らかく微笑んだレイア
そして、隣に立つ俺に目を移した
「私もアレンには世話になった。気兼ねなく休むといい」
「ありがたきお言葉、幸せにございます」
まだ、どこか夢の中にいる様子の父
レイアの周りにいるグレイスや他の女性達を見渡して、瞳を惜しげもなく揺らしている