「そうだ、父さん。紹介したい人がいるんだ」




俺の顔を慈しむ様に見つめる父に微笑みかける



俺達を助けてくれた人

俺の心を、満たしてくれる人

これから共に、生きていく人――




「俺達を助けてくれた、この国を治めている姫様だ」



父の腕からすり抜けて、後ろに立っていた彼女に向かって、振り返る

すると、ゆっくりとこちらに向かって歩み寄ってくるレイア


その姿を見て、まるで天使でも見たかの様に、父はあんぐりと口を開けてレイアを見つめた




「アネモス国第一王女レイア=ラピスだ。そなたがアレンの父上か?」



美しい声が世界に満ちる

暖かな光が部屋いっぱいに差し込んで、彼女を照らしだす