「父さんっ!」




勢いよく扉を開けて、通い慣れた部屋に滑り込む様に入る



すると、いつもなら目を閉じて眠っている父が

ベットの背もたれに寄りかかって、こちらを見ていた






「アレン」



俺の姿を見た父が、一度目を見開いて小さく俺の名を呼んだ


久しぶりに聞いた父の声に胸が一気に熱くなる

そして、気づいたら駆け出していた




「父さんっ!」



抱きしめた父は、以前より少し痩せた様に感じる

それでも、自分の背にまわったその手の温もりを感じて

また胸が熱くなる