グレイスのその焦り様に検討もつかずに、一度レイアの方に顔を向けるが
彼女も俺と同じ様に、検討もつかないといった様子で首を傾げた
「グレイス?」
ゼィゼィと胸に手を当てて、荒い呼吸を整えるグレイスの肩に手を添えて、その顔を覗き込む
すると、ゆっくりと顔を上げた彼女
その顔は紅潮して、どこか嬉しそうに輝いている
え? と思った瞬間
弾かれた様に、グレイスが声を落とした
「アレン様のお父上様がお目覚めです!」
満面の笑みで、そう言ったグレイス
その言葉に息を詰める
グレイスの言葉をぐるぐると頭の中で繰り返す
父さんが....
目覚めた?
「アレン!」
茫然と立ち尽くす俺の側に駆け寄って、嬉しそうに声を上げるレイア
その反動でやっと夢から覚めた様に、時間が動き出す
「父が!?」
「はい! 今しがた目を覚まされました!」
その声がスッと心の中に入って
一気に色づく
空一面を覆う
この木の葉の様に