「姫様、お話中失礼致します」

「構わぬ」



先程まで赤い顔をしていたレイアが

凛とした声でそう言う




「どうした、グレイス? 何かあったのか?」



こんな急いで駆けてくるなんて――

まさか…



「ガスパルか?」



また残党が現れたか?

民の誰かに襲い掛かったか?




「いいえ、違います」



張りつめた空気を打破する様に、荒い息をしたグレイスが大きく首を横に振った

その姿を見て、少し肩の力が抜ける



ガスパルじゃない?

だったら、何があったんだ?