「レイア」

「アレン」



お互いの名を呼び合って、微笑み合う

柔らかい彼女の微笑みが、俺の心を満たす



「きっと、見ていてくれている。レイアの事を」

「――あぁ。私もそう思うぞ」



レイアの姿を、きっと月の国から見ていてくれている

だからレイアも応える様に、月を見上げていたのだろう




「また会えた時に、胸を張って会いたい」

「――あぁ。俺もその手助けに」




彼女の悲しみを俺が

彼女の辛さを俺が

彼女の寂しさを俺が


全部取り除いてあげたい



幸せな未来だけを

美しい世界だけを見ていてほしい



どうか、その笑顔が曇らない様に



もう二度と

その頬に涙が落ちない様に――