「きっと、父様も母様も....兄様も、あそこにいる」



そう言って、もう一度月を見上げたレイア

まるで故郷に帰りたいとでも言う様に

寂しそうに微笑んだ



途端に悲しくなる



俺は天上の国へ行っても、彼女と結ばれる事はないのか、と思って



俺は月へ行く事はできない

どこまで行っても、レイアと結ばれる事はない



思わず睫毛を伏せた俺に気づいて、レイアがふっと笑う

そして、今度は彼女が俺の髪をすいた




「私は月へは行かぬよ」

「――え‥」

「どこまでも、そなたと一緒だ。例え、この身が滅びようとも、そなたと」




優しく微笑んだ彼女の笑顔が胸を締め付ける



愛しさが溢れて

息もできなくなる