「寂しい時は、月を見上げる」



すると、俺に抱きしめられたまま小さな声で囁く様にそう言ったレイア

抱きしめていた体を離すと、俺の腕の中に納まる彼女が、俺を見上げて微かに微笑んだ



そういえば、いつもレイアは月を見上げている

どこか寂しそうに

輝く月を、だたじっと見上げている



ずっと不思議に思っていた

どうして、そんなに寂しそうに月を見上げるのか

その瞳の奥で、何を見ているのか



そんな俺の考えを知ってか

いつもの様に月を見上げて、話し出した




「我らラピス家は、月の女神の末裔だと言われている」

「月の女神?」

「そうだ」



思わず言葉を繰り返した俺を見て、クスクスと笑う彼女

その姿があまりにも可憐で、美しくて

思わず、釘付けになる