「俺の目標だ」



今も昔も変わらず、そう思っている

父の様に、と―――







「――私も・・・母様を目標としていた」



月明かりに照らされた、時の庭を見つめていると

小さな声が落ちる


ゆっくりと視線を隣に向けると、いつもの様に月を見上げるレイアがいた

どこか寂しそうに、その瞳を細めて




「母様の様に、強く美しくなりたかった」



以前もそう言ったレイアの言葉を思い出す

まだ自分は王女の器ではないと

だから母親の名前を語っていた



母親の様になりたいと、思って――