「幼い頃から父に剣を教えてもらった」



朝日が昇って、夕日になるまで

1日中、剣の稽古をしていたのを思い出す



無我夢中で剣を振って――

楽しくて楽しくて、仕方なかった




「父親に…剣を教えてもらうのか?」

「あぁ。俺の一族は代々、国の守護を任されている。だから必然的に俺も騎士として育てられた」

「――嫌では、なかったのか?」

「いや、全く。それが当たり前だと思っていた。それに、父の様になりたかった」



父の様に強く

そして、誰からも愛される騎士に



そう思ったら、父の背中ばかり追って生きてきたな、と思う

父の行く所行く所についていき、父の真似事ばかりしていた



今思うと、目指す人がいてくれて良かったと思う

それだけで、俺は強くなれたのだから