出口の見えない迷路に立ち尽くしたまま、動かなくなったガスパルを見下ろす

すると




「私が見込んだだけある」




血の海に立ったまま、静かにそう言ったホリスに目を向ける

すると、群青色の世界の中にホリスの髪が浮かび上がる



まるで夜空に浮かぶ、月の様に





「明日からは騎士として迎える」



そう言い終えると、静かに歩き出したホリス

そして、その場に縫い付けられた様に動かなくなった俺を待つ事なく

暗い森の中に消えていった





静寂の中

まるで夜の海の様な血の池を見下ろす




その光景を見て、なぜか胸騒ぎがした



ザワザワと

木の葉を揺らす様に―――