男の言葉の意味ができずに、眉間に皺を寄せる

そんな中でも脅えた様に俺を見つめるガスパル

そして




「――その目っ...!!」

「目?」

「殺したはずだ…なぜ…なぜ」




擦れた声が世界に響く

大きく目を見開いて、体を硬直させている



…目?

どういう事だ?

殺したとは、誰を?



もう一度、その言葉の意味を問おうとした時

強い風が吹く

辺りの葉が勢いよく舞う



その瞬間、飛び散る赤

目の前に広がる、血の海

ポタポタと滴る血が、波紋の様に広がる



視線を上げると、剣を片手に立つホリスがいた


銀色の髪を赤に染めて

美しい陶器の様な肌に血を飛び散らせて

俺と、首の無くなった男を冷たい目で見下ろしている




「ガスパルを甘く見るな。どんな卑怯な手を使ってくるか分からない」