「誰だぁ、貴様ぁっ!」



アネモスの者達が身に着ける、白い衣を着ていない俺を見て、目の前の男が吐き捨てる様にそう言った



「――前にも、そう言った奴がいたな」

「んだとぉっ!?」

「以前、市場で斬った奴だ。お前達の仲間だろろう」



手の力を抜く事なく、不敵に笑ってそう言うと

目を血走らせた男が、俺の言葉を聞いて恨めしそうに歯ぎしりをする

その時




「――!」



突然殺気が世界に満ちる

反射的に視線を横に向けると、剣を振りかざして俺に斬りかかってくる男が見えた



仲間がいたのか



その瞬間、もう1つの剣を腰から抜いて

甲高い金属音と共に、降ってくる剣を防ぐ




「死ねぇ!!!」




ニタニタと笑いながら、舌なめずりする男

その姿を見て、狂気の沙汰だなと思う