「――いいの..か?」

「何がだ」

「俺を、騎士団に入れる事」



俺はどこまで行っても、この国の一員にはなれない

それは俺が一番よく分かっている

特にこの国では、認められる事はないと思っている



他国の者を一切断ち切る国、アネモス

現に今、この国に余所者は俺と父しかいない



例え俺達の監視が弱まったとしても

この国から許可なく出る事は許されない




ゆっくり瞳を上げた俺を何も言わず見つめるホリス


湖の上で輝く光の様に美しい銀の髪

そのあまりの美しさに、まるで血の通わない人形の様に思える時がある

特にホリスは感情というものを、あまり表に出さないから


その表情から、何を考えているか当てるのは難しい