首を傾げる俺を見て、睨みつける様な視線を崩す事なく口を噤むホリス

美しい顔だから、余計に怖い



でも実際、ここまで表情を露わにした彼を見る事が初めてだったから、思わず食い入る様に見てしまう

それと同時に、少しホリスという人間に近づけた気がして嬉しい




「―――そなたの、剣の腕を見込んでの話だ」

「俺の?」

「毎日フラフラしているよりはマシだろう」



吐き捨てる様にそう言うや否や、胸元から1枚の羊皮紙を取り出して、俺の前に突き付けた

夏の日差しが眩しくて、思わず目を細めてそれを見つめる




「姫様のお許しも得た」

「レイアの?」

「今日から、騎士としてこの国を守ってもらう」



そう言ったホリスの力強い言葉が、すっと胸に入る

そして、じんわりとそこから熱を発する