『――そもそも恋って何?』
『ん~アレン。いい質問だ。そうだな、恋って言うのはだな』
『うん』
『胸が焦がれるくらい、その人の事を想う事だ』
『…焦がれる?』
『会いたくて会いたくて、たまらなくなる。何をしていても、その人の事を考えてしまうんだ』
何をしていても、その女の人の事を?
ご飯を食べてる時も?
剣の練習をしている時も?
海を眺めている時も?
そんなの――
『疲れない?』
休まる日がないじゃないか
そんなの
そう言った俺の言葉を聞いて、ニコニコ笑って俺の頭をガシガシっと乱暴に掻いた父
『恋をすれば、それすらも幸せなんだ』
『――僕には分からない』
『いずれ恋をしたら、今日の父さんの言葉の意味がきっと分かる』
『――』
『きっと、な』