う~んと、唸り声をあげながら考えていると

1つの記憶の花が、目の前の花と一致した




「あっ!」

「どっどうされました!?」

「女の子の花だ!!」



一気に記憶が鮮明に甦って、嬉しくなる

勢いよく花瓶を手繰り寄せて、マジマジと見つめる




「お...女の子と申しますと?」



俺の奇行に眉を歪めて、そう問いかけるグレイス

さっきまでの、どこか寂しげな雰囲気はなく

いつもの彼女に戻っていた




「レイアと市場に行った時に会った子が持ってた花の冠と同じ花なんだ」

「――あの...ガスパルの残党に襲われた時でございますか?」

「そう! 市場で女の子が自分で作った冠を売っていたんだ」

「それが、この花、だと?」



そうだ! の意味を込めて、コクンと大きく頷く