口を噤んでしまったグレイス

ただ、その瞳を伏している



そんな彼女を横目に、活けられた花を見る

温かい光を沢山浴びた、その花を



そこで、弾かれる様に頭の中で思い出がフラッシュックする

どこか見覚えのある、この花を見て





「この花...」

「――え?」



思わず呟いた俺の声を聞いて、我に返った様に顔を上げたグレイス




「――この花...どこかで」

「この花が...どうかいたしましたか?」



顎先に手を添えて考える俺を見て、不思議そうに首を傾げるグレイス

キョロキョロと活けられた花と俺を交互に眺めている