「あの日から、俺の未来は決まっている」
この国で生きるという事
それは、どういう事か俺は分かっている
全部分かっていても、この道を選んだ
決して交わる事のない、この道を
彼女と共に行きたいがために
「――アレン様は...それで良いのですか?」
自嘲気に笑った俺に、目を見開いてそう問うグレイス
大きな瞳が惜しげも無く揺れる
「それでも、一緒にいたいと思える相手だ」
「――」
「だから、俺はこの未来を喜んで進むよ」
もう振り返らないと決めた
だから俺は進む
真っ直ぐ君まで伸びる、その道を
暗く、終わりのない
この道を―――