微かな沈黙が俺達の間に流れる
そして
「羨ましいですわ」
「え?」
「お2人は約束のお相手に出会えたのですもの」
そう言った彼女の言葉に、首を傾げる
――約束の相手?
「約束の相手って?」
約束。って言われて思い出すのは
以前レイアに教えてもらった『約束の池』
生い茂る森の中に、ポツリと浮かぶ小さな池
今も語り継がれている、伝説
――今より、ずっと昔
この国の姫と竜族の王子との、あの悲恋の物語だ
もしかして、それと何か関係があるのか?
この伝説はアネモスの者なら、誰もが知っているとレイアが言っていたから