「何が?」

「アレン様と――姫様の事です」



俺の問いかけに、どこか言いづらそうにそう言って、はにかんだ笑顔で振り返った彼女

その言葉に、少し頬が熱くなる




――そうだ



グレイスはあの時の光景を見ているんだ

恥ずかしげも無く、彼女とホリスの目の前で彼女を抱きしめ

愛の言葉を囁いた



あの光景を






「――あぁ...うん」



途端に猛烈に恥ずかしくなって、俯いたまま頭を掻く

そんな俺を見て小さく笑った後、再び花を活け始めたグレイス