「今頃、姫と王子は結ばれているだろうか」



ぼんやりと空を見上げていたレイアが、小さくそう呟く


その声が、どこか寂しそうに聞こえて

思わず、その体をぎゅっと抱きしめた




「大丈夫だ。きっと、結ばれている」




――いや。

そう思いたかった



伝説の中の2人が

まるで、俺とレイアを見ている様で胸が苦しくなった



結ばれる事のない2人



どれだけ心を通わせようと

愛し合おうと

2人には明るい未来などなかった



だったら、どうか天上の国では結ばれていてほしい

生まれ変わった来世でもいい



また、出会って

今度は幸せに――




そう思って、強く瞳を閉じた

自分も、そうでありたいと思って