「以前、我らの国が襲われた時、既に竜族は滅びていた。もし、滅びていなかったら‥違う未来が待っていたのかもしれぬな」
静かに立ち上がって、空を見上げたレイア
青空の中に、夕暮れの知らせが降りてきている
――戦士の国
今や伝説となってしまった、その国
俺も訪れてみたかった
でも、俺が生まれたその年に竜族は滅びたと聞いた
そして、多くの国が竜族の加護を失って
滅びていったと
それほど、強大な力を持った国だった
伝説の竜の末裔である竜族
たった1人の生き残りは、今やガスパルの国王―――
この国を救うのではなく
滅ぼそうとしたのは皮肉にも『竜族』の者だった