「その2人は恋に落ちた。毎日が輝いて、それはそれは楽しい日々だった。――しかし、その恋にも終わりの時が訪れた。男の怪我は治り、男は姫に言った。『私は一国の王子。だから、この国に留まる事はできない。しかし、約束する。君の国が敵に脅かされる事があれば、必ず助けに来る』と・・・」

「王子?」

「あぁ。その男はとある国の王子だった。そして、別れ際に持っていた美しい宝石を愛の証として姫に贈った。楽しかった日々を忘れぬように。愛し合った事を忘れぬように…。その男の国の、王家の石と対になる宝石を――」



王家の石―――



それは、この世界のどの国の王も持っているもの


王の証。


宝石の種類は様々だが、代々それは受け継がれ、歴代の王達が持っていた