「その昔、当時のプリンセスが森である男に出会った――しかし、その男は見た事もない身なりをして、足には大怪我を負っていた」
「――」
「姫は始めは驚き恐れたが、その男の強い眼差しに心惹かれ―――その男を助ける事にした」
その話を聞いて、まるで自分の様だな。と思う
ゲイルに襲われ、この森に迷い込んだ
この美しい、光の国へ
そして、助けてもらった
「男の怪我は戦で負ったモノで、そう簡単に治るものではなかった。しかし、この国は他国の者を受け入れる事はない。きっと王宮へ連れて行けば、殺される。そう思った姫は、この池の側で男の怪我が治るまで匿い、看病する事にした」
「――」
「それからは、毎日城を抜け出して男の看病をしに姫はこの池に通い詰めた――そして、次第に姫はその男に心惹かれていった。逞しい体に、強い眼差し。そして、彼の暖かい言葉…」
「きっと、その男もその姫に―――」
恋をした。
俺の途切れた言葉の続きにレイアも同意する様に、コクンと頷いた
きっと、その男も俺と同じだろう
この美しい世界に
眩しい程の、その女性に
恋をした