◇
「ここだ」
馬を蹴って、森に入って暫くした時
レイアが1つの池の前で馬を止めた
何の変哲もない小さな池
ただ、その周りを囲む様に真っ白な花が咲き乱れている
「この池が、どうしたんだ?」
一足先に馬を降りた彼女に、そう問いかける
すると、馬を木に括り付けながら俺を見上げて微笑むレイア
「この池にはな、伝説があるのだ」
「伝説?」
「美しく、色褪せぬ伝説だ」
「――」
「・・・側に」
この池に? と思って、じっと眺めていた俺に、そっと手を伸ばしてそう言うレイア
その手を取って、俺も馬を降りる
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