まるで子供の様に、俺に迫ってくる彼女が可愛らしくて仕方ない

手に持っていた髪をハラリと落として、彼女の視線に目を合わせた




じっと俺を見つめる、透き通った瞳

急に視線が絡まった事で、彼女の頬が少し赤らむ





「どこまでもお供いたしますよ。お姫様」



一瞬不安な顔をしたレイアだったけど、俺の悪戯っぽい返事を聞いた途端、花が開く様に微笑んだ

そして、俺の腕を取る小さな手




「では、急げ! 日が暮れるぞ」



日が暮れるって

まだ昼になったばかりなのに

そんな遠くまで行くのか?




「レイア、その前にどこに行くか教えろ」

「そなたはバカか? 言っては意味が無いだろう」



引きずられる様に足を前に出す俺を振り返って、呆れた様に溜息を吐く彼女

それは暗に俺を驚かせ様としているのだと思って嬉しくなる


それからはグイグイと腕を引っ張る彼女を、口を噤んで見守った