無意識に唇を噛みしめる

自分の事なのに、自分の心が分からなくて

苛立ちが募る



それでも、ヴェントスと天秤にかけている、この燃える様な気持ちの名が分からない

胸を締め付ける、息もできないこの気持ちの名が分からない




そんな俺の姿を瞳を細めて、じっと見つめるグレイス

何か言いたげなのに、ぐっとその言葉を飲み込んでいる様にも見えた



そして、大きな瞳を覆う睫毛を一度伏せて

小さな声で呟いた




「きっと・・・そのお気持ちは、あなた様を苦しめますわ」




その言葉の意味は、分からなかったけど