「お母さん。あたし寝るね。」

「ぇ…えぇ。おやすみ」

心配しているお母さんの顔が見えた。

「うん。おやすみ。」

でも、心配しないで。って言葉は

言えなかった。

自分の部屋に入って鍵をかけた。

我慢していた涙が一気に溢れ出した。

「う…ふ…」

あたしのせいだよ…なんで…

たけちゃん…あたし…明日から

どうすればいいの?

ひとりぼっちだよ…

「たけちゃん…おいていかないでよ…」

あたしは、その日泣いているうちに

寝ていた。なぜか夢をみた。

夢には…たけちゃんがいた。

「久美。お前はこれからいくらでも

幸せになれる。だから、俺のことを

早く忘れて、幸せになってくれよ。

俺は、今でもお前が…久美が

好きだよ。それだけは忘れないでくれ。

んじゃ。早く幸せになれよ…」