一方的に電話を切られてからは、どーにも出来なくて。

アタフタするわたしに、朔ちゃんは助け船を出してくれる。


「呼び出し?」

「……うっ、うん…。飛呂くんから…」

「……あー」


噂の飛呂くんね。

そう呟いた朔ちゃんは、散らかっていた書類をまとめて、わたしのファイルにしまってくれて。


「どーせもう帰らなきゃだったし、行ってきなよ」


そう言って、笑ってくれた。


「…朔ちゃん……」

「…あー、やっぱ下まで送るわ。せめてお前の家まで」

「…あ、ありがとう………」


…朔ちゃん。

また、わたしと飛呂くんの仲を怪しく思ったのかな。

違うって言ったから、それ以上はつっこんでこないだろうけど。

でも……。