朔ちゃんを探すために、色々なところを探ってみた。

一緒に行った本屋さん。近くのファミレス。CD屋さんにカフェ。ゲームセンター。


「…いない………」


でも、朔ちゃんの姿はどこにもなくて。


もしかしたら、近所にはいないんじゃないかと思い始める。


…朔ちゃんの友達に連絡してみる?ううん、朔ちゃんは、友達のとこにいるなら、わたしに探してなんて言わない気がする。

…部活?んー、でも、さっき電話したとき、周りは静かだったし…。


ええい、もういいや、思い当たるところ全部探そう!!!



「朔ちゃんどこーーーーーっ!」




こんな、叫びながら探すのなんて、久しぶりだ。何年ぶりだろうか。こうやって、朔ちゃんを探すのは。

何度も何度も走って、時には転びそうになって。

でも、朔ちゃんがいなくならないように、またあの笑顔が見れるように必死だった。



「…朔ちゃんは、はぁ、傷つくことがあると…っ、すぐいなくなるから…っ」


歩いて探すなんて無理だ。気持ちが落ち着かない。
昔からそうだった。朔ちゃんのことになるとわたしはいつもこうやって走っていた。

…きっと、わたしの落ち着ける場所が、なくなっちゃうと思っていたんだな。