「…指、細すぎ。ちいせぇな」
「飛呂くんが、大きすぎるんだよ」
「…ふうん……」
じっと、飛呂くんはわたしの指を見つめる。
触れられている。飛呂くんに。
それだけで、心臓が壊れてしまうくらい、どきどきしている。
指を、絡められて。
包まれて。
むくりと起き上った飛呂くんは、わたしと向き合うように座った。
「…ひろ、く」
「…」
そして、ぎゅ…と、身体が包まれて。
「…きみか」
そう、名前を呼ばれた。
「…どうしたの…?」
「…別に。こうしたくなっただけ」
そうつぶやく飛呂くんは、さらに腕に力を入れる。
飛呂くんの腕は、やっぱり、遠くで見るよりずっと、太いし力強い。
「…飛呂くん、」
「ん?」
「わたし、飛呂くんといると、しあわせ」
「…」
温かい身体は、すうっと、身体の力を抜いてくれる。
あたたかい。しあわせ。
わたしは飛呂くんといて、本当にしあわせなんだ。