「何?大丈夫なの?」

「え?」

「っだから…、その、なに、朔ちゃんって人」


…??


飛呂くん…?


「…ごめん。なんでもない。気にしないで」

「……」


飛呂くんの言いたいことが、よく分からなかったけど、わたしはとりあえず「大丈夫だよ」と伝えた。

そのうち、注文していたパスタもやってきて。
ふたりで、お互い頼んだものを少しずつ分けて、味見をしながら食べた。

そういえば、飛呂くんから告白された時に言ったお店も、イタリアンだったね。

そんな会話をしながら。


…でも、外の空は思ったよりも灰色が濃くなってきて、水分をたくさん蓄えているのか
とても重くなっていた。




「…雨、もうすぐ降りそうだな」

「ね、ますます黒くなってる」


パスタはとりあえず食べ終わって。
お腹の方も、パンパンだ。


ケーキ…は、入るか微妙だなぁ。


「ヒヨコ、傘は持ってるの?」

「うん、持ってるよ」

「…じゃ、今のうちに出よ。土砂降りの中家まで歩かせるのは嫌だわ。俺今日傘持ってないし」

「う、うん」