綺麗なお店を見渡しながら、飛呂くんと話していると、ポケットの中にある携帯が震えた。
「…?」
画面を見てみると。
【朔ちゃん】
「朔ちゃん…?」
「……」
メールだ。どうしたんだろう。
「…」
【今日雨降りそうだけど大丈夫?傘持ってる?】
…あ。
今日、こんな天気だったから、心配してくれたんだ。
今まで、わたしもよく傘を忘れることがあって、その度に朔ちゃんの傘に入れてもらったりしてたけど。
相変わらず、心配かけさせているんだなあ、と、感じる。
【大丈夫だよ、折り畳み傘持ってる】
心配はかけたくないしね。
…それだけを打って、送信した。
朔ちゃんは、今、何をしているんだろう。
「…ヒヨコ」
飛呂くんと付き合うようになってから、あまり教室にも来なくなったよね。
まあ、わたしに彼氏できたら、いつもそうだったけど。
「ヒヨコ!!!」
「は、はい!!!」
ローファの先端を軽く蹴られて、その衝撃でやっと飛呂くんに呼ばれていることに気が付いた。
わたし、彼氏とのデートい何考えているんだろう。