色々目移りしてしまうメニューを見つめていると。


「ぶっ……、ふは」


目の前で、飛呂くんが笑っていた。


「え、どうしたの飛呂くん」

「…ふ、いや、だってお前、今日まだ昼飯だって食べてないのに…、メニュー渡したらケーキにまっしぐらで…、いや、別に昼飯にケーキでもいいと思うけどな」

「……!!」


し、しまった…!!

確かに、今日は2限で終わったから、お昼はまだだったんだ…!!

それなのに、ケーキいっぱいあるよってメニューを渡された瞬間、大好きなケーキにしか目が行かなくなって…!!

恥ずかしさ極まりない。


「ち、ちがうよ!デザートから考えてたの!!」

「ぶふ…ッ、はいはい」

「~~っ!!」


飛呂くんのバカ!!そんなに笑わなくてもいいじゃん!!


…爆笑する飛呂くんに冷たい視線を送りながら、わたしはトマトの冷製パスタを注文した。

飛呂くんは、カルボナーラ。

デザートには、レアチーズケーキを頼もうと思う。
けど、お昼食べてから考えよう。



「…ふう、お腹空いちゃったね」

「ん。ケーキワンホールいけるかもな」

「ケーキは忘れて!もう!!」



これは、この先このお店に来るたびに笑われる未来が見える。