―――…



次の日は、朝から快晴だった。


……だった、ん、だけど。



「うそ――、なんか雲多くなってきたね」


1時間目の現国、2時間目のリーディングが終わって、帰りのHRが始まる頃には、灰色の雲が広がっていた。

あんなに快晴だったのに、天気が不安定なのは、夏特有のものなのかなんなのか。

折り畳み傘、学校に持ってきててよかった。


「やべーな、天気」

「飛呂くん」


アニカと窓から空を眺めてたら、いつの間にか隣に飛呂くんが立っていた。
いつ見ても高い身長に、未だに慣れない。

一体何㎝なんだろう。

って、そういうこと今はどうだってよくて。


「飛呂くんは今日部活?」

「いや。テスト期間中だから、ないよ」

「あ、そうなんだ…」


…て、ことは。


「…どこか寄ってく?」

「う、うん……!!」


やった…!!

久しぶりに、飛呂くんとの放課後デート。
久しぶりに、っていうか、飛呂くんに告白されたあの日以来、学校帰りにこうやって約束して帰ることはなかったなあ。


「じゃ、決定な」

「ん!」


久しぶりに、ゆっくりできるんだ。

うれしいなあ。