「飛呂くん、ほんとに君花のこと、好きなんだね」

「…そうかな」

「そうとしか見えないデス~」


帰る準備をしながら、アニカの冷やかしを聞く。
ほんと、いつもいつも、からかってくるんだから。

アニカが高橋くんと付き合うことになったら、一番に冷やかしてあげよう。


「…」



…でも、飛呂くんがちゃんとわたしを好きでいることは、確かに伝わってる。

きっと、さっき高橋くんが言っていたことも本当なんだろう。
いつも飛呂くんは、大幅に遅刻することなく、走って教室まできてくれる。

…そしてわたしは、そういう飛呂くんを、ますます、大好きになっていっている。



「…今度は、ちゃんと、ずっと一緒にいられたらいいね」

「…うん」



…それから5分後。
時間ぴったりに、飛呂くんは教室に帰って来た。

4人で校門まで行って、そこからは高橋くんとアニカ、そしてわたしと飛呂くんに分かれて帰った。


季節の変わり目。明日からは期末試験。

夏が、やってくる。