ものすごい音がして、屋上のドアが閉まった。
太陽の光がまぶしい、寒い冬には人気のある場所。
だけど、朝だからか、はたまた暑いからか、そこに人影は見当たらなかった。
「…飛呂くん」
「…」
ストンッと、その場に座って、ずっと一点を見つめている飛呂くん。
お前も座れ、って言われてる気がして、あぐらをかいている飛呂くんの隣にちょこんと座った。
「…飛呂くん…?」
「…」
どうしたんだろう。
さっき、朔ちゃんに言われたことが、嫌だったのかな。
飛呂くんは何があっても顔色を変えないから、よく感情が分からない。
「…朝だから、まだ少し涼しいね」
「…」
屋上なんて、初めて来たかもしれない。
それが飛呂くんと二人でなんて、わたしは幸せ者だなあ。