「飲み物飲みたいの?珍しいね」

「まーな…」


連れて来られたのは、わたしたちの教室を出て、一番近くの階段を登ったところにある自動販売機。

飛呂くんは、そこでアクエリアスを買ってた。


「…」

こんなふうに、二人で学校の中をウロウロするのも、なんか変な感じ。

今まで、学級委員の仕事でしか、こんなふうに二人で行動したことなんてないから。


「…ヒヨコ」

「…、なあに?」

「…」


少しだけ、飛呂くんがわたしとの距離をつめた。

陰が濃くなって、飛呂くんが近くにいて。


え、え、え………


「…っ!」


少しだけ驚いて、後ずさりしそうになった。


その拍子に、どんっと、背中が何かにぶつかってしまう。


「…!ご、ごめんなさ…!」

「あれ、君花」

「…」


さ、朔ちゃん……………!!!!