家に帰るということは、
あのアパートから離れるということ。

一人暮らし禁止の学校なんだから、
家に帰るべきなんだ。

私には私を歓迎してくれる家族がいる。
帰ってきてほしいと願う家族がいる。

だけど、
なんでだろう…

私はあのアパートから離れたくない。
そんな風に思ってしまう。

≪滝野っ≫

思い浮かんでしまったのは、
先生の事。

先生?

どうして?

先生だったら、
学校で会えるじゃないか。

≪上に住んでるのが、
滝野で良かった…≫

先生…

ああ…

もしかして…

私は…

「やっぱり駄目かな?凛ちゃん…」