考えるのをやめよう。と、
思えば思うほど、考えてしまうように、
人間の頭というのは出来ているみたいで、

私は結局、夜寝る時も、
次の日になっても、先生のことを
考えていた。

《自分に素直になってみることも、大事よ?》

昨日、優香さんに言われた言葉。

自分に素直になってみるねえ…

私は先生の事が、好きなのか?

思い出すのは
先生の無邪気な笑顔、
よく私をからかう声。

《一緒にいて、楽しい人とか。》

…そういえば、
私、先生と話すの楽しくて好きだな。

あれ?おかしくない?

まず、そもそも私は教師というものが
あまり好きではなかったはずだ。

親しげに話しかけてくる姿とか、
ご機嫌とりにしか感じられない。

でも、先生はどうだ?
今まで一度も嫌だと感じた事はない。
むしろ、楽しい。

あ、そっか。先生って凄いんだ!
教師の中で、特別だ。

私は確かに先生の事が好きだ。

だけど、それは勿論、"教師として"であって、
男としてではない。

これは、恋ではない!

よかったあ……まあ、当たり前だけどね。
教師を男として好きになるなんて、
あり得ないけどね。

ふう…
そう自覚すると、少し気が楽になった。
自分に素直になるって大事ね。