それと同時にあたたかい温もりにつつまれた
「えっ?!ちょっ爽君?」
必死に剥がそうとするけどさすが男子
びくともしない
「あのさ俺言ったよね。諦めないって」
静かにでも凛々しく話す爽君
「強引に奪うつもりはない。けど好きな子が泣いてるのをみてほっとけるわけない」
一つ一つの言葉が胸にしみる
「泣くくらいなら俺にしなよ。俺は朝日のこと泣かせない」
「爽君......」
嬉しい、嬉しいよ。
あたしの事そんなに思ってくれてるなんておもってもみなかった
爽君のこと好きになってたらきっと幸せだったんだろうな。
......でもあたしが好きになったのは蓮なの
蓮以外の誰でもないの。
泣かされても辛くても好きなのは蓮なの
爽君の気持ちを利用するようなことしたくない。
それに自分の気持ちけしたくない
「ごめんね.....あたしが好きなのはやっぱり蓮だから......」
あたしがそう言うと柔らかく笑う爽君
「うん。わかってた。でも次泣いてるの見たら本気で奪いに行くからね」
爽君は本当に優しい。
「爽君。ありがとね」
「お礼言われることなんて何にもしてないよ。じゃあ俺行くね」
爽君のおかげで自分の気持ちがちゃんと理解できた。