「ドンドンドン」



嫌なことを思い出したくなくてずっとベットの中にいたら物凄い早足で階段を登る音が聞こえた




「愛蘭!!!」






やっぱり......そうじゃないかなって思った






「菜有花.....」






「あんたどうしたの?突然今井さんがあたしっちクラス来て愛蘭さんは早退するそうですとか言ってくるからびっくりしたんだよ!?」







今井さん......ご丁寧にそんな事までしてくれちゃってたのね。





"とりあえず、はいバック"そう手渡されたバック





「ありがと....」





菜有花を見ると今にも泣きそうな顔してる




えっ、どうしたの.....?



何か嫌なことでもあったのかな?



大丈夫かな?



「愛蘭....」



ひどく落ち着いた声で話す菜有花





「今まで愛蘭が言ってくるまで何も言わないつもりだった。何も聞かないつもりだった」





嫌な予感がする.....






「.....でももう限界だよ。愛蘭またいじめられてるでしょ?」







.........やっぱ駄目か




菜有花にはバレバレだったんだね






「.....うん」




ここで否定したってもう嘘は通用しない



正直に話すのが一番だと思った




「相手は今井さん?」



「.....うん」



「原因は坂下?」



「......うん」




ここまでわかってたんだ.....




「そっかそっか.....辛かったよね。一人で頑張ってきてえらいよ。でももう大丈夫だから。あたしが支えるから」





菜有花の言葉一つ一つが心にしみる



目に涙が溜まってく



「.....っ」

駄目。泣いちゃ駄目





「泣いていいんだよ。今くらい泣いていいんだよ。泣くことは弱いんじゃない。強くなるために涙を流すんだから。」





あたしの事を全部見透かしたように言う菜有花




その言葉を聞いて堪えてた涙がとまらなくなった





「......うっ、うぅ....」



「ちゃんと声だして泣きな。こらえなくて大丈夫だから」




もうあたしの涙は止まることを知らない





「......うわああっ......うっ」




あたしが泣いてる間ずっと菜有花はそばにいてくれた




温かくて優しい言葉を沢山かけてくれた