手が大きいと言うところは、トーゴちゃんも男だなって思う。

だけど躰と同じく指も長くて華奢で、爪は大きい。

「あっ」

華奢な薬指にはめれられているシンプルなシルバーリングに気づいた。

「おー、わかったか?」

トーゴちゃんは手をひっこめた。

「本当なんだ」

そう言ったあたしに、
「ウソついたって仕方ないだろ」

トーゴちゃんは返した。

「ちなみに年上、プラス婚約中だ。

俺が教師になったら結婚するって言う約束なんだ」

「へえ」

トーゴちゃんはニヤリとイジワルそうに笑った。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。