「おっと」

トーゴちゃんはストップと言うように手をあたしの前に差し出した。

「何?」

いきなり手を差し出されたあたしは訳がわからない。

「悪いけど、恋人の話はなしだから?

俺、彼女いるんだから」

トーゴちゃんはニッと歯を見せて笑った。

「えーっ、トーゴちゃん彼女いるのー?」

驚いたと言うように返したあたしに、
「その証拠が俺の手にあるだろ?」

トーゴちゃんは言った。

まあ、トーゴちゃんは美人だから彼女がいてもおかしくない。

「えーっ…」

あたしは差し出されたトーゴちゃんの手を見た。